ジュン×水銀燈


闇が晴れ出し、太陽の光が空を染めていく。
つまりは明け方だ。
あの後、男は数十回に渡り娘を貪り続けた。
「いいか、今後二度と真紅達に手を出すな!いいな?」
男が衣服を整えながら、まるで生命の糸が切れたかのごとく
ぐったりと倒れている娘を見下ろす。
「もし手を出してきたら…何度でも襲ってやるからな!」
そう言って、男は廃墟を後にしたのだった。

「ただいま。」
そっけない声で男は自分の家に入り、そのまま自室へと向かう。
「あら、ジュンがこんなに朝早くから出歩くなんて珍しいじゃないの。
 何処に行ってたのかしら?」
部屋に入ると、片腕の無い、紅いドレスを纏った少女が男に尋ねてきた。
「ここからちょっと離れたところにある古びた廃墟だ。」
「そんな所に何しに行ったの?」
「ん〜。強いて言うならオシオキ、だ。」


[前へ] [戻る]