ジュン×真紅
すばやく服を着込んだ真紅を、ベッドに座り込んだまま、ニヤニヤとジュンは見上げていた。
「?何が可笑しいのかしら」
「お前・・・今日はずいぶん盛り上がってたじゃないか」
真紅の顔が一瞬にして赤らむ。その顔を見られたくないのか、そっぽを向いた。
「あれぇ?恥ずかしいのか、お前?」
「・・・あ」
ジュンの言葉など耳も貸さずに真紅はドアに歩み寄ると、一気にドアを開いた。
その瞬間、人影がジュンの部屋に転がり込む。
「・・・あ。ああ!?ああああああああああああ!!」
ジュンが声にならない悲鳴を上げた。その人影がジュンの姉だったからである。
「あ・・・あはははは。見つかっちゃった〜」
姉はあきらかな作り笑いを浮かべて、何とか逃げ出そうとしているのが丸見えである。
「じゃ、じゃあね、ジュン君。失礼しまし・・・」
「ちょっと待てーっ!!何時から・・・何時からそこにいたぁ!?」
ジュンが半ば涙目で叫び散らす。
「べ、別にいいのよ、ジュン君。いくらロリコンだって生きて・・・」
「だ、だ、誰がロリコンだーーーっ!!」
こうして家全体を使った姉弟ゲンカが始まった。その様子を傍から見ている真紅は大きなため息を一つ、こぼした。
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