ジュン×真紅
「んっ・・・」
いつの間に眠ってしまったのだろうか。
締め切ったカーテンから漏れる光で少年は目を覚ました。
ぼんやりとした目を幾度かこすって、少年、桜田ジュンはベッドから上体を起こした。
手近にあった眼鏡をかけると大きな欠伸を一つ。そして視線を時計へと向けた。
まだだいぶ時間は早い。
ジュンは眼鏡を外しもう一眠りしようと横になり目を閉じた。
と、軽やかなノック音の後、一人の少女がすっと室内へと入ってきた。
少女は赤いゴシック調の服に美しい蒼色の瞳と、人間味の薄れた格好をしている。
年は10歳ほどだろうか、一歩歩むごとに膝ほどまでに伸びた金色の髪がゆれる。
少女はジュンの頬にそっと手を添えた。そして、
『パン』
と頬をはった。
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