蒼星石

12月24日
家に入った。中はしーんとしていた。明かりがついていない。
電気をつけようとしたがつかない。どうやら停電のようだ。
「おーい、蒼星石、帰ったぞ。」
真っ暗闇の中を手探りで歩いた。居間を覗いたが蒼星石の気配はない。
仕事部屋の方を覗いた。窓からは雪明かりの、微かなぼんやりとした青白い光がさしている。
その光の中に蒼星石を見つけた。座布団の上で仰向けに、静かに寝っ転がっている。
「おい、起きろ、蒼星石。」
蒼星石の頬を軽く叩いた。しかし返事がない。
「おい、起きろってば。」
蒼星石の体を揺すってみた。しかしやはり返事がない。
だんだんと暗闇に目が慣れてきた。少しずつ周りの物がはっきりと見えてくる。
部屋を見渡すと、部屋中に黒い羽根が散らばっていた。
急に恐怖を覚えた。ゼンマイを巻いてみたが、動かない。どれだけきつく巻いても動くことはなかった。
ゼンマイ穴の中を見てみた。何かつまっているのだろうか?しかしそんなことはなかった。
俺は蒼星石をぎゅっと抱きしめた。冷たい。とても冷たい。俺はしばらくその体勢のままでいた。
そしてそっと立ち上がると、居間の方へと呑み込まれていった。

メリークリスマス。




「完」


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